毎月のように運送会社の事業停止や許可の取消などのニュースを目にして不安になっていませんか?
年々厳しくなる行政処分。不安になるのはどのような場合に行政処分が下されるのか?そして、行政処分の重さをしっかりと理解できていないからかもしれません。
この記事では、運送事業を営む事業者にとって気になる行政処分についてわかりやすくまとめました。
最後までお読みいただき、適法な運行を心掛けましょう。
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運送事業と行政処分の概要
貨物運送事業者が法令違反を行うと、その違反内容により行政処分が下されます。
軽い順から見ていきましょう。
・自動車等の使用停止処分
・事業停止処分
・許可の取消処分
恐ろしい言葉が並びますね・・・。
ちなみにこれに至らないものは、軽微なものから順に、勧告・警告となります。
それでは、それぞれどのような内容なのか、どのような場合に行政処分を受けるのか確認していきましょう。
自動車等の使用停止処分|処分日車数制度とは?
自動車の使用停止処分を受けると、緑ナンバーを外して車検証と共に管轄の運輸支局へ預けなければなりません。
ナンバープレートを外すとその車両は公道を走行することはできませんよね?
1日運行できなければ1日車となります。
例えば、処分が20日車となれば20日間運行することはできません。
車両の停止期間は所有台数と処分日車数により下記のように定められています。
※端数は切り上げることとし、81日車~の欄の「Y」は、所属する事業 用自動車の数が31両以上の場合を除き、処分日車数61~80日車の各欄 に定める処分車両数とし、所属する事業用自動車の数が31両以上の場合に あっては、「8」とする。
どのような場合に使用停止の行政処分を受けるのか?
例えば、車庫の収容能力不足や営業所との距離の違反
初違反:20日車
再違反:40日車
過労運転の防止措置義務違反、必要な員数の運転者の確保違反
初違反:警告
再違反:10日車
休憩・睡眠施設の整備違反
初違反:30日車
再違反:60日車
多岐にわたりますのでこの辺にしておきましょう。
詳細は下記PDFをご覧ください。(国土交通省HPより引用)
事業停止処分とは?
累積点数による事業停止
30日間の事業停止
②運転者に対して点呼を全く実施していない場合
③定期点検整備を全く実施していない場合
④整備管理者が全く不在(選任なし)の場合
⑤運行管理者が全く不在(選任なし)の場合
⑥名義を他人に利用させていた場合
⑦事業の貸渡し等を行っていた場合
⑧監査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質 問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述を行った場合
運送業者としてやるべきことをやっていない悪質な行為だと判断されるわけですね。
許可の取消処分はどんな場合に処分を受けるの?
①違反点数の累計が30点以下の事業者が、270日車以上の処分日車数を付 された場合
②累積点数が31点以上の事業者が、180日車以上の処分日車数を付された場合
③ 累積点数が51点以上80点以下となった場合
・累積点数が81点以上となった 場合
・自動車等の使用停止処分若しくは事業停止処分の命令に違反した場合
・事業停止処分を受けた事業者が、当該行政処分を受けた日から3年以内に同一の違反をした場合
・①~⑦の命令に従わず行政処分を受けた事業者が、当該行政処分を受けた日から3年以内に同じ命令を受け、従わなかった場合
①事業計画に従い業務を行うべき命令
②安全管理規程の変更命令
③安全統括管理者の解任命令
④輸送の安全確保の命令
⑤公衆の利便を阻害する行為等の停止の命令
⑥事業改善の命令
⑦運送に関する命令
・有償で旅客運送を行い、自動車等の使用停止処分を受けた事業者が、当該行政処分を受けた日から3年以内に同一の違反をした場合
・事業の許可に付した条件(運輸開始の期限に限る。)に違反して運輸の開始を行わず行政処分等を受けた事業者が、当該行政 処分等を受けた後も運輸の開始を行わない場合
・ 所在不明事業者であって、相当の期間事業を行っていないと認められる場合
・欠格事由に該当する場合
細かく言うとまだまだありますが、最低限この辺りは押さえておきましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
行政処分について何となくでも理解できましたか?
行政処分を受けてしまうと一定の期間、営業所の新設や増車を行うことができません。
行政処分が下る前にできることは全てやっておきましょう。
監査が来るので諦めるのではなく、監査が来るまでにやれるべきことをやっておくのです。
当事務所では、監査対策のサポートも行っております。
諦める前に専門家に相談しましょう。