このサイトに辿り着いたということは、あなたは自動車解体業の許可を取得しようとしている。あるいは、これから先必要になるかもしれないので事前に調べている勤勉な方かもしれません。
『使用済み自動車の部品や素材を売却して利益を得たい。その為には、自動車解体業の許可が必要だということは何となく理解できたが、具体的に何から始めればいいのかわからない。』
あなたがそう思うのも無理はありません。
自動車リサイクル法の許認可について分かりやすく記載しているページはほとんどありませんものね。
実際にこのサイトにたどり着くまでに、色々なwebサイトをご覧になられていると思いますがどうでしたでしょうか?
ほとんどは、○○県解体業の手引き・・・とかの自治体のこむずかしい資料であったり、難しい法律の条文が並んでいるだけのwebサイトで、知りたいことがわからずうんざりしてしまったのではないでしょうか?
お疲れ様です。
読み慣れていないと非常に疲れる作業ですよね。
自治体の資料は、許可の要件や必要な書類等を記載してくれていることも多いのですが、この自動車解体業に関してはあまり詳しくは記載されていないことが多いです。
自動車リサイクル法だけではなく、都市計画法や農地法、周辺の住環境との調整など、その地域により必要となる書類や手続きも異なるケースが多いのも詳しく記載したwebサイトがない原因かもしれませんね。
このサイトでは、許認可の専門家である行政書士が、自動車解体業の許可を取得する為に知っておくべき重要な知識と、注意すべきポイントをわかりやすく紹介し、『どうすれば自動車解体業の許可を取得することができるのか』をとことん解説します。
解体業許可に必要な要件について詳しく知りたい方は下記リンクをお読みください。
コンテンツ
自動車解体業の許可と自動車リサイクル法
まずは、自動車解体業は自動車リサイクル法に定められているということを知っておきましょう。
使用済自動車は、パーツ単体でも価値があったり、鉄などの資源としての価値も高いため、自動車リサイクル法制定前から解体業者 や破砕業者を通じてリサイクル処理がなされてきました。 しかし、処分費の高騰や鉄などの資源の買い取り金額の下落などにより、ニュースで目にしたこともある方もいらっしゃいますかもしれませんが、山奥にスクラップを放置する不法投棄や不適切な処理による環境破壊など、従来のリサイクルシステムが機能不全に陥りつつあったことから、新たな使用済自動車のリサイクルシステムとして自動車リサイクル法が制定されました。
今まで決まりがなかった品目にも厳格な規定ができ、しっかりとした知識と設備を備えた解体業者でなければ、許可を取得することができなくなったと考えていただければわかりやすいでしょう。
もしあなたが生半可な気持ちで開業を考えているのであれば、考え直した方がいいです。
解体業の設備や土地・建物などの初期費用もかなりの金額が掛かりますし、何より知識がなければ長く経営を続けていくことは難しい。環境破壊やリサイクルに関しては、日本だけではなく世界で問題となっています。
常に最新の知識を仕入れ、法令を遵守していかなければならない業界だということを認識しておきましょう。
自動車リサイクル法について詳しく知りたい方は下記リンクもお読みください。
どんな場合に解体業の許可は必要になるの?
使用済自動車の解体を業として行う場合には解体業の許可が必要となります。
では、実際にどのような業種が該当するのでしょうか?
例えば、中古車販売業や買取業。
自社で廃車の引取を行い、車のパーツを販売する場合等には、車を解体する必要がありますよね?
このような場合には解体業の許可が必要となります。
また、価値の無い車を引き取る場合には、自動車引取業の登録も必要になりますし、価値のある車を引き取る場合には、古物商の許可も必要となります。
整備・板金業
事故をした車が運ばれてくるケースが多い整備・板金業ですが、事故の程度によりそのまま廃車にして欲しいと依頼されるケースももちろんあります。
上記のような車に関わる業者は、販売や買取・整備板金を業として、付随業務として解体業を営むことが多いです。
あとは、スクラップ工場やパーツの買取、鉄などの素材の買取業者などが対象となります。
自動車解体業の許可を取得するには?無許可営業の罰則は?
では、解体業の許可を取得するにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、管轄の自治体から許可を取得することが必要です。
とりあえず商売を始めて、注意されたら許可を取得すればいいや!
なんて適当に考えていれば痛い目に合うのはあなたです。
自動車リサイクル法では、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が定められています。
また、取り扱いの内容によっては産業廃棄物処理法にも抵触しますし、自治体が許可を判断しますので、悪質だと判断されれば、事業者としての登録もできなくなってしまうかもしれません。
リスクしかありませんよね?
あなたがビジネスとして取り組むのであれば、しっかりと許可を取得して堂々と営業をしましょう。
自動車解体業許可の手続きの流れ
では、どのような手続きを経て許可を取得するのか簡単に説明します。
①物件の目星をつける
まずは、どこで営業をするのか。
不動産屋さんに相談して、ある程度目星をつけておきましょう。
物件で注意すべきポイントは用途地域。
解体業を営む場合、騒音や臭いの問題などが発生する為、基本的に住居系の用途地域では許可の取得はできません。工業地域や準工業地域で探すのが無難でしょう。
都市計画法や建築基準法・農地法などの、関連法令も知っておく必要がありますので、行政書士などの専門家に依頼するのであれば、物件を決める段階から相談するべきです。
契約したはいいが許可が取得できない物件では、多大な損害が発生してしまいます。
②自治体での事前協議
解体業の許可を得るには、ほとんどの自治体で事前協議を必要としています。
施設基準や能力基準を満たしているかどうか?
周辺住民への周知・説明を行っているのか?
などが確認されますので、しっかりと事業計画を立てましょう。
③施設の契約&工事着工
自治体との協議が終われば、工事に着工しましょう。
④必要書類の収集&申請書の提出
必要書類を集めて申請書を提出しましょう。
解体業の許可には、施設や設備の図面なども必要となる為、かなり難易度は高いです。
ご自身で申請される場合は、役所から『もういいだろ!』と言われるくらい細かく確認しましょう。
(※実際に言われることはありません。優しく教えてくれます)
提出の際に新規許可の場合78,000円が必要となりますので用意しておきましょう。
⑤施設確認(現地調査)
提出した書類に不備などがなければ、現地調査が行われます。
施設などの質問に答えられるように準備しておきましょう。
⑥許可or不許可
申請から約3ヵ月程度で許可がおります。
⑦自動車リサイクルシステムへの登録
自動車リサイクル法では、電子マニフェストという報告システムを利用して、フロンやエアバックの回収料金支払いの管理を行う為、システムへの登録が必要です。
自動車解体業の許可申請|必要書類
解体業は自治体により提出書類が増減します。
ここでは、大阪市を例に挙げて説明します。
《事前協議》
①事務所所在地の登記簿謄本・地籍図
②付近の見取り図
③主要道路からの搬入経路図
④建屋の平面図、立面図及び断面図
⑤事務所の配置図
⑥施設の構造図及び処理能力計算書
⑦標準作業書
⑧説明会の開催結果を記載した書類
⑨その他市長が必要と認める書類
《申請》
①解体業許可申請書
②誓約書
③施設の構造図及び処理能力計算書
④施設の配置図・見取り図
⑤使用権原を有することを証明する書類
使用承諾書や賃貸借契約書など
⑥事業計画書及び収支見積書
⑦標準作業書
⑧登記事項証明書・定款
⑨役員全員の住民票(本籍地記載)
まとめ
いかがでしょうか?
自動車解体業の許可の全体像は把握できましたか?
今回は、全体像を説明させていただきましたので、細かい要件などは省いています。
それでも、これだけのボリュームです。
解体業の許可は難易度も高く、事前協議や必要書類の収集などの工程も多く非常に手間です。
開業を考えられている方は早めに自治体や、行政書士に相談しましょう。
当事務所の費用を知りたい方は下記リンクをお読みください。