あなたが緑ナンバーを取得して、運送業を始めたいと考えたときに、避けては通れないのが『運行管理者』の存在です。
ドライバーが安全に走行できるように、運行管理体制を整える重要なポジションが『運行管理者』です。
『運行管理者』は、運転者の休憩や睡眠施設の保守管理や、運転者の指導監督、健康状態や安全運行の支持把握などを行う仕事です。その為には、貨物自動車運送事業法や道路運送車両法などの専門知識を持った国家資格者しかなることはできません。
そんな重要なポジションである運行管理者について、きになる疑問を『運送業専門の行政書士』がとことん解説していきます。
それでは、確認していきましょう。
コンテンツ
気になる運送業豆知識|運行管理者Q&A
運行管理者の仕事内容
運行管理者は、ドライバーが安全に走行できるように、健康状態や配車を組んだり、には指導を行う安全のプロフェッショナルと言っても過言ではありません。
運送業に従事したことがある方であればご存じだとは思いますが、一般の方にはあまりなじみのない仕事内容です。
ではどのような仕事をしているのでしょうか?
この仕事内容に関しては、貨物自動車運送事業輸送安全規則第20条に規定されています。
すごく長いので、簡潔にまとめると以下のようになります。
・乗務員への配車
・乗務員の健康状態の把握
・点呼
・運行指示書の作成
・乗務員への指導
この辺りがメインのお仕事となります。
試験でもでますので資格の取得をお考えの方は、しっかりと覚えておきましょう。
運行管理者ってどうやってなるの?
運行管理者になるのは2通りの方法があります。
①年2回(3月・8月)に行われる運行管理者試験に合格すること。
受験資格《下記のいずれかが必要》
運行の管理に関して1年以上の実務経験を有する者
実務の経験に代わる講習を修了した者
試験科目
道路運送法、貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、労働基準法などの法令等並びに運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力について出題
合格率
約30%程度
ほとんどの方は上記の運行管理者試験に合格して運行管理者となりますが,もう一つ運行管理者になる方法があります。
②事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について一定の実務の経験その他の要件を備えること。
事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務の経験を有し、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していること等の要件を満たすこと。
上記の方法は5年以上の実務経験が必要となる為,普通に勉強して運行管理者となる方がかなり早いです。
しっかりとポイントを押さえれば合格できる内容となっていますのでしっかりと勉強しましょう。
運行管理者の必要な人数は?
運行管理者は各営業所に1名以上必要になります。
厳密に言うと,事業用車両の数により最低人数は変動するので要注意です。
~29台まで 最低1名
30~59台 最低2名
60~89台 最低3名
上記のように30台ごとに最低人数が増えていきます。
運送業許可に必要な運行管理者の選任は正社員でなくてもいいの?
正社員でなくても構いません。
アルバイトなどでは常勤するのは難しいですが、派遣社員でも構いません。
ただし、常時雇用しておく必要があり、責任の重い仕事です。
できれば、自社で雇用しておく方が無難でしょう。
運行管理者の点呼は車庫でもいいの?
営業所と車庫が離れている等の場合には、運行管理者を車庫へ派遣して点呼を行うことができます。
あとは、巡回指導などで高評価を得て届出をするか、Gマークを取得していればIT点呼も可能です。
運行管理者が運転手として業務をしてもいいの?
特に問題ありません。
ただし、自分自身の点呼はできないので、補助者に点呼をしてもらいましょう。
運送業許可を申請する際に運行管理者を雇用していなければならない?
雇用している必要はありません。
運送業許可(一般貨物自動車運送事業の許可)を新規で申請すると、約4ヵ月~半年程度の期間仕事をすることはできません。
そんな長い間、給料を払い続けるのはさすがに厳しいですよね?
新規申請時には、確保予定ですと言っておけば問題ありません。